「クイーンの塔」の愛称を持つ横浜税関の建物は1934年(昭和9年)3月に完成しました。関東大震災で旧税関庁舎が倒壊後、しばらくはバラックの平屋で税関業務が行われていましたが、当時の大蔵大臣・高橋是清の「失業者救済のため土木事業を興すべき」との発言を受けて新庁舎の建設が開始されました。特徴的なイスラム寺院風のドームを備えた塔は、最初の計画では高さ47メートルになる予定でした。しかし、既に完成していた「キングの塔」こと神奈川県庁本庁舎が49メートルであったことから、「日本の表玄関にふさわしい税関庁舎を」との金子隆三税関長の意向を酌んで51メートルに変更されました。アーチやクラシカルな装飾を多用した外観はロマネスク様式の影響を強く受けています。正面玄関にある「横濱税関」の表札は高橋是清の直筆を基に作製されたと伝えられています。2001年に横浜市認定歴史的建造物に指定されました。
クイーンの塔こと横浜税関
こちらは1961年1月に完成した横浜マリンタワー。横浜三塔ではないが横浜のシンボルの一つだ。