2006年製のノートPCに内蔵されているHDDが一杯になってしまいました。元々このHDDの総容量は80GBしかない上、OSが入っているCドライブのパーティションに至っては18GBしか確保されていませんでした。発売当時はそれで充分というメーカの判断だったのでしょう。しかしWindows XPに次から次へとセキュリティパッチを当てて更新して行くうちに、遂に残り容量は200MBになってしまいました。Cドライブの残り容量が少なくなると一時ファイルを記録するスペースがなくなり、応答速度が極端に遅くなるので大変なストレスです。早速、一杯になったHDDを交換することにしました。最初は500GBくらいのHDDにしようと考えていました。しかしSSD(Solid State Drive:磁気記録媒体ではなく、フラッシュメモリにデータを記録するストレージデバイス)の値段を調べたら、以前では考えられないくらいに安くなっています。SSDのアクセス速度はHDDのそれよりも何倍も速いので、7年落ちの古いPCのパフォーマンス向上につながると考え、内蔵HDDを128MBのSSDに置換することにしました。購入したのはADATA Technology社のSATA 6GB/s MLC SSD(ASX900S3-128GM-C)です。7mm厚の2.5インチHDDと同じ大きさですが、9mm厚と同じ大きさにするためのスペーサや、3.5インチのHDDベイに取り付けるためのブラケットも付属していました。秋葉原のドスパラにネット注文したところ1万円でおつりが来ました。しかも即日配送とのことで、注文した日の夕方には手元に届きました。良い時代になったものです。
まずは内蔵HDDのデータを丸ごとSSDにコピーします。SSDを一時的にUSB接続用の外付けHDDケースに入れ、HDDケースに付属していた「HD革命 CopyDrive 4 Lite」というソフトウエアを用いて内蔵HDD内のデータを全てSSDにコピーしました。「HD革命」はパーティションのサイズを簡単に変更できて便利でした。Cドライブを30GBに、残りをDドライブに割り当て、それぞれのパーティション容量を拡張することができました。データをコピーし終わったらHDDをSSDに交換します。PCを分解して、キーボードとパームレストを外すとHDDが現れますので、これをSSDと取り替えます。そして分解と逆の手順でPCを元通りに組み立てたら全て完了です。
期待と不安を抱きながらPCの電源を入れます。すると心配をよそに極めて順調に立ち上がり、今まで1分近くかかっていたログイン画面の表示まで、たった20秒ほどで到達しました。パスワード入力後、PCが使用可能になるまでも20秒足らず。シャットダウンも30秒で終了します。今までとは異次元の速さです。Internet Explorerを立ち上げるのも、重いCADソフトを立ち上げるのも驚くほど速くて、とてもサクサク動くようになりました。7年落ちのPCがまるで現代のマシンに生まれ変わったようです。HDDと違って、SSDにはデリケートな可動部品がありませんので、動作中に持ち歩いても、振動を加えても問題はありません。また、消費電力が小さくなり、発熱も少なくなるメリットがあります。もちろんカリカリ言うHDDのアクセス音もなくなり静かです。良いことずくめで今のところ何のデメリットも見つかりません。想像以上の効果にご機嫌になりました。遅いPCをサクサクに蘇らせる魔法の小箱、SSD。古いPCをお使いの方にはHDDをSSDに置換することを強くお薦めします。
このPC(ソニー製VGN-SZ70B)の場合、裏側の4本のねじを外し、ファンクションキー側の本体にある2つのバネ仕掛けの爪を押しながらキーボード全体を持ち上げると本体から剥がすことができる。(爪の一つはF1キーとF2キーの間、もう一つはPrtScキーとInsertキーの間にある)
キーボードAss'yを前方に裏返し、緑色のFPCをZIFコネクタから外す。ZIFコネクタは両端の黒いスライダを前方にスライドさせてロックを解除する。
アルミ製のパームレストは3本のねじを外して水色のタブが付いた2つのフラットケーブルをZIFコネクタから外し、手前にスライドさせて取り外す。ZIFコネクタは茶色のフラップを上方に跳ね上げてロックを外す。
写真左下に見える黒い小箱が取り付けたSSD